ハイギアリールとノーマルギアリール

釣りの基本

リールを選ぶ際は、スピニングリール・ベイトリール共にハイギアとノーマルギアという選択肢があります。

ハイギアは一回転あたりの巻き取り量がノーマルギアよりも多いというのが大きな違いです。

しかし、単純にはそれだけではないのでその違いについてくわしく解説していきます。

ハイギアとノーマルギアで変わる事

巻き取り量

上記の表はとある2種類のリールスペック表です。

上段のC3000がノーマルギアで、下段のC3000HGがハイギアです。

この2つのリールは姿形は全く同じで、重さも同じ物です。違いはギア比と巻き取り長さで、ハイギアのほうが1回転あたり18センチ多く巻き取れます。

ハイギアが多く巻き取れる理由はギア比にあります。

上記の表の比較リールはスピニングリールなのですが、ハンドル1回転あたり、ローターと呼ばれる糸を巻き取る部分が何回転するかをギア比で示します。

C3000はハンドル1回転あたりローターの回転が5回転。C3000HGはC3000はハンドル1回転あたりローターの回転が6.2回転。

したがって1回転あたりのローター回転数がハイギア(C3000HG)のほうが多いので、より多く巻けるという理屈になります。

リールを巻く時の感覚

ハイギアリールはノーマルギアよりも巻きの感覚が重くなります。

これもギア比が関係しており、ギア比が小さいほど軽くギア比が大きいほど重くなります。

言い換えれば引き抵抗がハイギアのほうが強く感じるという事です。

普段ノーマルギアばかり使っている人が、突然ハイギアを使うと結構違和感を感じるかもしれません。逆も然り。

この差を大きく感じるのは、大きな魚とのやり取り中や、水深のある場所から巻いてくる時です。

そしてこの巻くときの重さは、リールの巻き取りパワーにも関係していて

ギア比小=軽い=パワー大=ノーマルギア
ギア比大=重い=パワー小=ハイギア

となります。言い換えるなら、ノーマルギアのほうが巻き取り量は少ないが楽に巻けるとなります。

釣具屋さんで、同じ番手で同じ機種のノーマルギアとハイギアのリールがあったら巻き比べるだけでもその違いは分かる人には分かるかもしれませんので、機会のある人は一度試してみて下さい。

また、リールは番手や機種によっても巻いた感覚に違いがあるので、その違いもいろいろ触れてみて感じてみてください。

感度

ハイギアで引き抵抗が強くなりますが、その分感度が上がります。

理屈は、抵抗を強く感じる分水中のわずかな変化(魚の小さいアタリ、水流の変化等)を感じやすいという事です。

しかし、ノーマルギアの感度が悪いという訳ではありません。ノーマルギアを標準と考えた時、ハイギアはより良いと考えて下さい。

感度は竿や釣り糸の影響も大きいですから、リールだけが感度に影響するわけではありません。

ハイギアのメリットとデメリット

ハイギアリールをノーマルギアリールと比べた時のメリットとデメリットを表にしました。

ハイギアを使うメリットは、巻き取り量が多くなる事によってのメリットが多いです。

逆にデメリットはやはりリールのパワーがノーマルギアより落ちるところでしょうか。

釣りのおいて早く巻ける(特にルアーフィッシング)ことは、大きなメリットになります。

ルアーの動きを見切られる事はよくあることで、早く巻けば早く巻くほど反応が良いというケースがあります。

ルアーを食わせる事に関しては、1つ大きな強みがあるという事です。

もう一つ特徴的なのが、回収の早さです。風が強い日の釣りでルアーを投げると風のせいでラインが余計に出てしまいます。

この時ハイギアだと素早くラインを回収して次のアクションに移れます。PEラインは風や潮に流されやすいので、ハイギア使用のほうが有利になる場合もあります。

釣りのジャンルにはよりますが、デメリットも多くある分それを上回る強いメリットがある事を覚えておいてください。

ノーマルギアのメリットとデメリット

ノーマルギアリールをハイギアリールと比べた時のメリットとデメリットを表にしました。

ノーマルギアはやり取りが楽とか、抵抗が少ないなどパワーに優れている点がわかります。

あと、ゆっくり一定のスピードで巻くのが得意です。ハイギアでもゆっくり巻いてやれば同じと思うかもしれませんが、少し違います。

例えば、ノーマルギアでのかなりゆっくり巻くをハイギアで再現すると相当ゆっくり巻かなければなりません。

そうするとわずかなブレがルアーに伝わりやすくなり、ハイギアでは巻きが安定しません。

ノーマルギアは、その点では安定感はあります。もちろん個人の力量や慣れで巻きの安定性は変わってきますが、ゆっくり一定で巻く事を多用する釣りでは、ノーマルギアが有利です。

次にデメリットですが、特にありません。

ハイギア至上主義の方だと、考え方も違うかもしれませんが、私はノーマルギアを標準で考えていますので、デメリットは無いと考えます。

細かい事を言えばハイギアより早く巻けないとかはありますが、普通に釣りを楽しむ分にはノーマルギアでも不足はありません。

ハイギアとノーマルギアの表記

シマノとダイワのリールを例に説明します。

シマノの場合は機種名の中にXGHGが付きます。

赤字で表したXGHGがハイギアを表しています。

シマノには機種によってエクストラハイギアがあります。

エクストラハイギアはハイギアよりもさらに巻き取り量が多くなります。ギア比も大きくなるので、ハイギアよりもメリットもデメリット際立つでしょう。

しかしメーカーもデメリットが際立つ使えない物を発売したりはしません。より良く考えられて設計されています。釣り人側からは選択肢が多くあるという事は、とても良い事です。

ダイワの場合も機種名の中にHXが付きます。

赤字で表したHXHがハイギアを表します。

ダイワのリールも、2021年発売のセルテートSWにはエクストラハイギアが加わり選択肢が三種類あるものが出てきました。

シマノのほうが前からエクストラギアがあったのですが、ダイワも追従する形なのでしょうかね。

釣りによる使い分け方の例

釣りよっては、ノーマルギアが良い場合と、ハイギアが良い場合があります。

リール特性を理解して有利に攻める、そんな例を見ていきましょう。

夏シーバスのデイゲーム

夏だけに限りませんが、高活性のシーバスを明るい時間に釣るときはバイブレーションというルアーの早巻きパターンがあります。

これは、早く巻く事でシーバスを反射的に食わせるやり方です。したがって、ハイギアが有利になるパターンです。

シーバスのナイトゲーム

夜のシーバスを狙う時はゆっくり巻くのが基本です。

さらに秋の落ち鮎パターンやバチ抜けのときには、デッドスローリトリーブを使う事も多いのでノーマルギアのほうが釣りがしやすいです。

ショアジギング(ライトショアジギングも)

まず魚にメタルジグを食わせる事を考えるなら、断然ハイギアです。

しかし、磯など障害物が多いばしょで大型青物を狙う場合はノーマルギアが良いケースもあります。

ヒラマサなどは根にもぐる習性のある青物なので、ギリギリの所で強引に巻けるか負けないかが勝負の分かれ目になることもあります。

また、腕力に自信のない方もノーマルギアのほうが釣りがしやすいと思います。

エギング

エギングの場合はラインでアタリを取る場合もあるので、素早く巻き取って合わせるという動作が出てきます。

また、巻き続ける動作も少ないためハイギアのほうが使いやすいと思います。

初心者の方にはノーマルギアをおすすめします

初心者の人がまず最初に買うリールはノーマルギアが良いです。

まずは掛けた魚はしっかりと釣りあげれる事が大事です。

ノーマルギアなら、少々大きな魚が掛かっても、竿の角度を一定に保ち、リールは魚が強く引いていないかぎりはゆっくり巻いていればだいたい捕れます。

釣りをすることに慣れてきてから、ハイギアを使ってみればよいと思います。

上級者になると、使い分けて上手に魚を釣ります。

特性と限界を知っていてこそできる事もありますので、まずは一つのリールを使いこんで、自分の体の一部のように使いこなせるように、リールの事を理解してあげましょう。

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