海釣りの竿の選び方

釣りの基本

釣具屋さんに行くと、実に色々な種類の竿が並んでいます。海水に淡水、陸っぱりに船と、何も解らないと種類が多くて何がなんやら・・・。

ここでは、陸っぱりの海釣りで使う竿について用途や選び方について説明していきます。

大きく分けると3種類あります

まずはルアー釣りのための、ルアーロッド。ルアー釣りでは竿の事をロッドと呼びます。

ルアー釣りは欧米発祥なので、使う言葉も横文字が多いです。釣り糸⇒ラインハリス⇒リーダー針⇒フック等混在してる場合もあるので慣れるまでは少しややこしいかもしれません。

ルアーロッドのラインナップは広く、色んな魚種に対応できます。

次は磯竿です。磯竿はエサ釣りに使う竿です。主にウキ釣りやブッコミ釣りに使います。狙える魚は、ルアーロッドと同じく様々です。

最後は投げ竿です。投げ竿は投げ釣りに特化した竿で、とにかく遠くに飛ばす事に長けた竿です。

狙える魚は幅広くはないですが、工夫次第では遠投性能を生かしたブッコミ釣りなど大物狙いにも使えます。それでは、一つ一つをさらに詳しく解説していきます。

ルアーロッド

ルアーロッドはルアーを投げるためにつくられており、磯竿などと比べると短く、扱いがとても楽です。手軽に釣りを楽しむ分にはこちらが最適ですね。

ロッドのラインナップも幅広く、アジやメバルなどのライトなターゲットから、大型の青物まで様々です。近年はイカも身近なターゲットとして大人気で、通年でいろんなイカが狙えます。

ルアーロッドの仕様の注意

ルアーロッドの購入にあたって最初に気を付けてほしいのが、ルアーロッドにはスピニングリール仕様とベイトリール仕様があります。

左)スピニングロッド 右)ベイトロッド
違いはリールを装着したときの向きの違い(スピニングはリールが下向き、ベイトはリールが上向き) 
もう一つわかりやすい違いはベイトロッドにはトリガーとよばれる指を掛ける部分がある(写真黄色丸の部分)

現在、海釣り陸っぱり用のルアーロッドで、ベイトリール仕様って少ないのですが、たまにお店にも置いてあって、間違えて買っちゃう人がいます。

ベイトロッドでも、スピニングリールを使えない事もないんですが、そもそも竿の曲がりなどの設計がちがうので、最悪竿が折れてしまうなどの可能性があるので、無理に使うのはやめておきましょう。

みなさんは間違えないようにしましょう。わからない場合は店員さんに聞けば教えてくれます。

各部名称

次に、初心者のためのリール講座ではスピニングリールを推奨しているので、スピニングロッドについて説明していきましょう。まずは画像をご覧下さい。

各部分の名称になっています。予備知識として、頭の片隅にでも置いておいて下さい。

軽く説明しますと、リールシートはリールの取り付け部分です。ガイドは糸が通る穴で、上の画像だと計9個付いてますね。

グリップは、スポンジっぽい素材かコルクでできている手で握る部分です。

バットとティップっていうのは、そのその部分の名称です。バットはロッドの根本から最初のガイドぐらいまでの部分で、ティップは竿先ぐらいですね。

なお、上の画像のロッドは2つに分かれていて、これをジョイント部分でつないで使用します。簡単に入って、簡単に抜けるけど、釣り中は抜ける事のない絶妙な径で仕上がっています。

この継ぎ目を、インロー(印籠)継ぎと呼びます。陸からやる海釣りのルアーロッドは、ほとんどが2本継ぎ仕様となっています。

ロッド表記

次は、ルアーロッドの長さ等の表し方です。下の画像をご覧ください。

ルアーロッドのグリップのやや上に上のような文字が入っています。1つずつ解説していきます。

①ロッドの名前

これはそのままで、そのロッドの名称になります。1つのモデルにつき、長さと硬さの違う物が、数種類ラインナップされています。

 ②ロッドの長さ

上の画像では96と表記されています。これは、9フィート6インチという意味になります。日本ではあまりなじみのない、ヤードポンド法が使われていますね。

ルアーフィッシングがアメリカからやってきたので、そのまま向こうの単位が採用されているんでしょうね。

ちなみに、1フィート=30.48㎝で、1インチ=2.54㎝になります。9フィート6インチを計算すると、2m89.56㎝で約2.9mになりますね。

まあそんなに細かく計算する必要もないと思いますので、9フィート6インチだったら、9.6×30でだいたいの長さはわかると思います。

③ロッドの硬さ

上の表の様になります。ロッドが硬くなるほど大物使用になってきます。ここではこんな物があるぐらいの認識でいいです。

メーカーやロッドのグレードでも、同じ表記でもだいぶ差がありますので、あくまでも目安の一つといったところです。

さらにライトよりも柔らかいUL(ウルトラライト)や、ヘヴィよりもさらに硬いHH(ダブルヘヴィ)やHHH(トリプルヘヴィ)、XH(エクストラヘヴィ)などというものもあります。

ルアーロッドの種類

良く使うルアーの補足です。

ワームとは、ゴムみたいな素材で出来たルアーです。

エギとは、エビ?みたいな形のイカを釣るための疑似餌です。

プラグとは、木やプラスチックで出来てるミノー、ペンシル、バイブレーション等のルアーの総称です。

メタルジグとは、鉛やタングステンでできた小魚をイミテートしたルアーです。

最初の1本目はルアーロッドがオススメ

ルアーロッドはルアー釣り専用と思いきや、実はエサ釣りにも使えるのでなかなか優秀です。

9フィート前後のML(ミディアムライト)のシーバスロッド一本あれば、シーバスはもちろん、エギングや、ちょい投げのキス釣り、ウナギのブッコミ釣りなんかにも使えます。

磯竿でルアー釣りはすごくやり辛いですが、逆にシーバスロッド程度のルアーロッドなら結構エサ釣りも楽しめます。

この汎用性の高さがメリットなので、最初の一本目はルアーロッドをおススメします。

磯竿

磯竿は、ルアーロッドと比べると長い物が標準的で、全長5メートルほどの竿が一般的です。竿が長い分がしなやかで、魚の引きを最大限に楽しめます。

各部名称

竿が長すぎて写真に収まらないので中間は省略しています

ルアーロッドと作りは似ていますが、まず大きな違いが振り出し式になって所です。

振り出し式なので、竿を洗った後などに水を抜けるように尻栓がついています。ねじ込み式なので外せば、中に入った水が抜けます。

あと、磯竿はガイドの数が多いです。竿が長く、しなやかに作られているので、その特性を活かすために、力を分散させるガイドは多いのだと思います。

1号の磯竿などは、実際持ってみると頼りなく感じるぐらい柔らかい印象です。しかし多少大きな魚がかかっても、大きく半月に竿がしなり、想像以上に魚に負けません。

柔らかいが粘りがある感じで、まさに柔よく剛を制すといったかんじです。これが磯竿の醍醐味で、魚を掛けてからの楽しさは随一です。

お解りいただけるでしょうか。竿に竿が収納されていて、ぞろぞろと伸びるのです。

磯竿は振り出し式と呼ばれるつくりで、中空の径の異なるパイプがつながって、一本の竿になります。5.3メートルの竿だと、5本のパイプが繋がっています。各つなぎ目は、抜けずにぴったりはまる径になっています。

磯竿の表記

磯竿は竿の種類を号数で表します。上の画像だと、1.2号です。長さはハイフンの後の53という数字が長さで、5.3メートルという意味です。

磯竿の種類

上の表についてですが、竿の号数が上がるにつれて重いオモリを投げれるようになり、竿も硬く太くなっていきます。

さらに釣りジャンルの補足です。

ウキ釣り(フカセ)とは、軽い仕掛けを海に漂わせ、撒き餌と同調させながら釣ります。難易度高めです。

ちょい投げとは、軽めのオモリと仕掛けを少し投げてキス等を狙う釣り方です。

ぶっこみとは、おもり・釣り糸・針・エサのシンプルな仕掛けを放り込んで、アタリを待つ釣りです。ぶっこみ釣りと呼びます。

サビキ・投げサビキとは、サビキ釣りはサビキ仕掛けという疑似餌とコマセを使い、足元の小アジを狙います。

投げサビキは、サビキ仕掛けにウキを付けて、仕掛けを遠投して沖目の良型アジをねらいます。コマセは、コマセカゴをサビキ仕掛けの上もしくは下につけて、アミエビを詰めます。

かご釣りとは、投げサビキと似ていますがサビキ仕掛けが、1本針もしくは2本針の仕掛けに変わり、コマセカゴも上カゴ式になります。対象魚は良型アジ・青物・マダイなどです。

泳がせ釣りとは、アジやイワシやカマスなどを釣り、針に付けて泳がせておく釣法。青物やシーバスやヒラメが狙えます。大物が狙えるとてもスリリングな釣りです。

磯竿はエサ釣りにこだわる人向け

磯竿には、ルアーロッドには無いメリットがあります。まず、竿が長くてしなやか(柔らかい)ので掛けた魚がバレにくいです。ルアーロッドと比べると、断然磯竿のほうがキャッチ率は高いでしょう。

そして、ウキ釣りが楽しめます。ウキ釣りは仕掛けを長くしたほうが釣れる確率も上がるので、ルアーロッドでは長さが足りなく扱いきれない場合が多いです。

磯竿は5メートルぐらいあるので長い仕掛けも楽々扱えます。ウキに出るあたりは本当に楽しく、虜になってしまう人多く、ウキ釣りファンは多いです。

エサ釣りに特化している分だけに、汎用性は低いですが、確実に魚を釣りたい人は、磯竿でエサ釣りをするのが最も効率的でしょう。ルアー釣りよりも、エサ釣りのほうが強いのは事実です。

投げ竿

投げ竿は、遠くに投げる事に特化した竿です。長さは3メートルから4.5メートルまでと磯竿程は長くありません。

各部名称

竿が長すぎて写真に収まらないので中間は省略しています

投げ竿も、作りは磯竿とほぼ同じです。大きく異なる点は、ガイドの数が少ない事です。

これはより仕掛けを飛ばすために、糸の抵抗を減らす為の設計になっています。

それだけに、重りとのバランスがマッチしていて、細いPEラインを使用すれば、驚く程の飛距離が出ます。

普通の人でも、100メートルは飛ぶでしょうし、エキスパートの中には200メートル飛ばす猛者もいるようです。

あと、投げ竿も高級品になると、ルアーロッドのように2本継ぎになります。

投げ竿の表記

投げ竿のの場合は、長さを表す部分は3桁の数字で表記されています。例えば305なら3メートル5センチ、420なら4メートル20センチといった具合です。

投げ竿は飛ばし屋さん向きです

投げ釣り愛好家には、遠投ジャンキーがおりまして、とにかく遠くに飛ばす事に命を懸ける人もいます。広い海に向かっての遠投は、とっても気持ちが良いですからね。

そして、スポーツフィッシングの側面もあって、キャスティングの世界大会もあるみたいです。世界レベルになると250メートル以上投げる人もいるみたいです。すごいですね!

投げ竿は、釣りジャンルがやや限定的で最初におすすめはしませんが、遠くに飛ばせるアドバンテージを利用した、ブッコミ釣りは非常に強力です。

一撃必殺にはなりますが、1本持っていると面白い竿ではあります。

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